2025/09/14
犬の肛門腺のお手入れ方法|肛門腺絞りをしないとどうなる?
犬の健康管理において肛門腺絞りは非常に重要です。
「肛門腺絞りって実際は何をしているの?」
「うちの子にも肛門腺絞りは必要なの?」
そんな疑問をお持ちの飼い主様へ向けて、今回は犬の肛門腺絞りの方法や重要性、放置した場合のリスクなどについて詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の健康管理と日常ケアに役立ててください。
目次
犬の肛門腺とは?
犬の肛門腺は肛門の両側(時計に例えると4時と8時の方向)にある小さな袋状の器官です。肛門腺は肛門嚢とも呼ばれます。
肛門腺では独特の臭いがある分泌物が作られています。
スカンクが肛門腺から分泌物を出すことで有名ですが、犬や猫にも肛門腺がありスカンクと同じように分泌物を出します。
分泌物の色や匂いは個体ごとに様々です。
肛門腺の果たす役割
肛門腺は独特の臭いを持つ分泌物を生成します。
この分泌物は縄張りのマーキングや犬同士のコミュニケーションに用いられています。
犬同士が散歩中などにお尻の臭いを嗅ぎ合っている場面を見たことがある方は多いと思います。
肛門腺の臭いは個体差があるので、犬同士で臭いを嗅ぐことによって個体識別を行っています。
肛門腺絞りが必要な理由
肛門腺は通常では排便時に適度に圧迫され分泌物が出ます。
しかし、元々分泌物が出にくい個体がいたり、何らかの要因で出にくくなることがあります。
肛門腺に分泌物が溜まってくると感染や炎症を起こしたり、最悪の場合は肛門腺が破裂する場合があります。
そのため、肛門腺に分泌物が溜まっているケースでは肛門腺を絞り、分泌物を出してあげることが必要です。
肛門腺トラブルの症状
肛門腺に問題が生じると以下のような症状が現れることがあります。
- お尻を地面に擦り付ける
- 頻繁に肛門を舐める
- 座る際の不快感
いずれも肛門腺に炎症や感染を起こし、犬が肛門腺の痛みや違和感を感じて起こす症状ですね。
放置することのリスク
肛門腺は分泌物が溜まってくると様々な症状を起こします。
さらに適切な対処が遅れ、症状が進行すると感染や炎症が重篤化することがあります。
そのような場合では発熱や元気消失など全身症状を引き起こします。
最終的には肛門腺の中に分泌物が溜まりすぎてしまい、肛門腺が破裂してしまうこともあります。
肛門腺破裂とは?
肛門腺破裂は、肛門腺に分泌物が溜まった状態を放置することで起こる深刻な合併症です。
肛門腺に過剰な圧力がかかることで破裂を引き起こします。
肛門腺破裂を起こさないためにも定期的な肛門腺絞りが重要ですね。
肛門腺破裂の原因と症状
肛門腺破裂は肛門腺に分泌物が過剰に溜まることで起こります。
肛門腺は通常だと排便時に少しずつ分泌物を出します。
しかし感染や炎症があったり、肛門付近の筋力が弱かったりすると自力で分泌物を出せなくなってしまいます。
肛門腺破裂を起こすと肛門周囲の皮膚を突き破り、その周囲で強い炎症を起こします。
肛門腺破裂を起こした場合の症状は以下のようなものがあります。
- 肛門周囲の急激な腫れや痛み
- 血液や膿の混じった分泌物
- 発熱
- 元気消失
肛門腺破裂はこのように全身性の症状を出すことがあるので、すみやかな対応が必要です。
肛門腺破裂の対応方法
肛門腺破裂が疑われる場合はできるだけ早く動物病院を受診しましょう。
動物病院では、肛門腺破裂では肛門腺周囲に炎症や感染を起こしているケースが多いので患部を洗浄し、抗生剤の投与を行います。
必要に応じて溜まっている膿や血液を排出させるドレナージの処置を実施します。
肛門腺破裂は適切な治療を受けることで、多くの場合は完治が可能です。
しかし肛門腺破裂は感染や痛みを伴い犬の生活の質が低下します。
肛門腺破裂を防ぐために日頃から肛門腺のケアをしておくことが重要です。
正しい肛門腺絞りの方法
肛門腺絞りは肛門腺を優しく圧迫し分泌物を排出させる作業です。
絞るタイミングは犬種や個体差によって異なりますが、一般的に1〜2ヶ月に1回程度が目安です。
ただし、肛門腺に問題がある場合は獣医師に相談し適切な間隔で肛門腺絞りを行いましょう。
正しい肛門腺絞りの方法は以下の通りです。
- 犬が動かないように保定する
肛門腺絞りの際に犬が動いてしまうと、怪我をする可能性があります。
犬が動かないようにしっかり保定しましょう。
- 指で肛門腺を左右からつまむ
犬の肛門腺は時計で言うと肛門の4時と8時の方向にあります。
尻尾を上に持ち上げるとより肛門腺が絞りやすくなります。
- 肛門腺をゆっくり絞る
左右から力を加えて肛門腺を絞っていきます。
加える力が強すぎると犬が痛がることがあるので優しく絞りましょう。
- 肛門の周りを清潔にする
肛門腺を絞った後は肛門の周辺に分泌物が付着して、臭いがついてしまいます。
水やシャンプーなどで洗い流しましょう。
肛門腺絞りは自宅でもできますが間違った方法で行うと、犬が怪我をしてしまうこともあるので不安がある場合は動物病院やトリミングサロンに頼むと安心です。
トリミングサロンでの肛門腺絞り
肛門腺絞りは自宅でも行えますが、コツが必要なため飼い主様ご自身で行うのは難しい場合もあります。
トリミングサロンでは経験豊富なスタッフが、犬の性格や状態に合わせた肛門腺絞りを実施してもらうことができます。
また肛門腺にトラブルがあった場合にはトリミングサロンで処置をしてもらうことで早期発見に繋がります。
定期チェックの重要性
定期的な肛門腺絞りは肛門腺破裂などのトラブルを防ぐために重要です。
一般的には1〜2ヶ月に1回程度の頻度で行うことが推奨されますが、個々の犬によって必要な頻度は異なります。
特に小型犬や肥満犬は肛門腺の問題が発生しやすいです。
まとめ
肛門腺絞りは定期的に行うことで肛門腺のトラブルを防ぐことができ、愛犬の健康管理に繋がります。
肛門腺絞りは自宅で行うこともできますが、間違ったやり方をしてしまうと犬が怪我をしたり肛門腺に炎症を起こすことがあります。
愛犬の健康と快適な生活のために、トリミングサロンなどでの定期的なケアをおすすめします。
肛門腺絞りといった愛犬の日常ケアについて気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
奈良県生駒のトリミングサロンFLORA